日本一時帰国中の業務に対する税金について

駐在員のキーワード、一時帰国。一時帰国中に働いた場合の税金はどうなるのでしょうか。

要点

✔︎ 日本で働いた期間に対する給与は、非居住者の国内源泉所得となり、日本に税金を納める。
 (日本の会社から給与をもらっている場合)

✔︎ 税率は 20.42%

✔︎ 日本で働いた期間が短ければ、納税しなくてよい規定もある。

✔︎ 結局日本・イギリスのどちらかで税金を払う。

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一時帰国休暇

駐在員の方は一時帰国用の休暇があり、それを使用して日本に一時帰国することが多いと思います。
ですから一時帰国 = 休暇、というのが一般的でしょう。
(表向きは休暇で実際は仕事している人も多いと思いますが・・・)

ありがたいことに妻の会社は、家族にも一時帰国の渡航費用を出してくれますので
私も妻と一緒に年に1度、半月ほど一時帰国し日本を堪能します。

しかしそうです。私には一時帰国休暇なる素敵な制度はありません。
私は駐在員ではありませんでした。

半月を全て休暇にしてしまうと私の休暇はあっという間に無くなってしまいます。

ありがたいことに休暇取得は日本の時より多く、ただでさえ

うめきち

有給もっとほしい・・・

と呟いているくらいです。

一時帰国中に働いた場合

私の話はどうでもいいと思いつつ、私の話が続きます。

そんな私の有給休暇事情ですので、一時帰国中全て有給を使うのが難しいことが多いです。
最初の一時帰国では何も知らなかったため、給与明細にヤツが現れました時はそれは驚きました。

20.42くん

よろしくニキーwww

非居住者が日本国内で働いた給与は、国内源泉所得となり 20.42% の源泉徴収が発生します。

これは、日本法人から給与が支払われる場合です。
駐在員の方で海外現地法人から給与が支払われている場合はまた別です。
租税条約が絡み、183日ルールなどもう少し複雑です。

また、日本で働いた期間が短く、その期間の給与が(月額給与に比べ)著しく低い場合は除く(納税不要)
という規定がありますが、私の場合は半月以上日本におり、これを適用させるのも難しいと判断しました。

20.42% の注意点

この 20.42% には認識しておくべき(恐ろしい)点があります。

支給額(額面)に対して発生する。

1つ目は、支給額(額面)に対する 20.42% が源泉徴収される、という点です。

会社員の通常の所得税計算は、総支給額(額面)から課税所得を計算し、その課税所得に対して税率をかけます。

年収700万円の方の課税所得

年収700万(会社員、扶養家族なし、30代)
 給与所得控除 :  -180万円
 基礎控除   :   -48万円
 社会保険料  : 約-100万円(厚生年金、健康保険など)
 
 課税所得   :  372万円

 所得税額   : 約 32万円(ひと月 2.6万円)

年収700万円ですと、課税所得が 330万円を超え、所得税率 20% が適用されるため例としました。

適用税率は 20% ですが、各種控除と累進課税のため、年収に対する所得税の割合は
所得税額 32万円 ÷ 年収700万円 x 100 = 4.5% です。

生命保険料控除などがあれば、税金はさらに安くなり、割合も低くなります。

話を 20.42% に戻すと、支給額に対して 20.42% が税金です。

年収700万の非居住者が1ヶ月日本で仕事した場合、

月収約58万 x 20.42% = 約 11.8万 (日本の所得税の4倍以上です。)

源泉分離課税である

非居住者の国内源泉所得が全て源泉分離課税ではありませんが、給与は分離課税です。

源泉分離課税は、納税した時に課税関係が終了します。
納税した後、たとえその年の日本での年収が少なく確定申告しても返ってきません。

日本で 20.42% を払わなくても

日本で働いた期間が短ければ、前述の規定を適用し、20.42% を払わない、という選択肢もあります。

ただし、日本で払わなかった分は、イギリスに納税することになります。

逆に日本で 20.42% を支払った場合、支払った期間の収入に対してはイギリスで納税する必要はありません。

これは日本とイギリスで日英租税条約を締結し、二重課税を防止しているためです。

最後に

一時帰国中の日本の税金に関する内容でした。

この内容を知っていても一時帰国中の勤務調整は難しいことが多いと思いますが、、

どなたかの参考になれば幸いです。

20.42くん に関する記事を置いておきます。

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